PURPOSE

「ジョブ型雇用」とならんで最近よく目にするマネジメント用語が「パーパス」ですね。日本語に訳せば「目的」、多分中学1,2年で習ったのでは。この言葉が表題についた経営書がいま続々と出版されています。一種のブームでしょうか? 

ところで「ブーム」の語源はご存じですか?虫の羽音です。例えば蚊が近づいてくるとブーンと音が聞こえますが、やがて遠くに行くと聞こえなくなります。これが「ブーム」です。いつかブームは去っていく ー まさにその通りですね。

「パーパス」、わかったようでわからない言葉だと思っていたら、今から10年ほど前に書かれた『コリン・パウエル リーダーを目指す人の心得』にこの言葉を見つけました。とても簡潔な文章なのでご紹介します。なおこの本の第一章に出てくる「自戒13カ条」は米国の経営コンサルタントがリーダーシップセミナー等に頻繁に引用しています。著者のパウエル将軍(黒人初めての米統合参謀本部議長、国務長官)は昨年末にコロナウイルス合併症で惜しくも亡くなりましたが、生前は共和党員でありながらトランプ大統領を厳しく非難していました。

「組織が実現しようとしているものを表す言葉としては、ミッション、目標、戦略、ビジョンなどがよく使われる。だが私は別の言葉を使った方がいいと思っている ー 「目的」だ。目的とはビジョンの終着点である。ビジョンにエネルギーを注入し、力強く前進させるのが目的だ。部下は、自分たちのリーダーが自分たちをどのような目的でどこへ連れてゆこうとしているのかを知る必要がある。」