昇進した途端に無能になる…!?

コミュニケーションとコンプライアンスの両面から人と組織の無限の可能性を引き出すビジネスコーチ&社会保険労務士の光武哲郎です。

 

先日とある本を読んでいたら「ピーターの法則」に関する記述がありました。

 

経営者の方にとっては、管理職・リーダーの能力発揮を考える一助となるかもしれませんので以下に引用します。

 

『「昇進した途端に無能になる」という現象は、その発見者である教育学者ローレンス・J・ピーターにちなんで「ピーターの法則」と名付けられ、世界的に知られている。

 

「ピーターの法則」は次の3つの点に集約できる。

 

1.階層社会では、すべての人は昇進を重ね、おのおの無能レベルに達する(人は能力の限度まで出世すると、十分役割を果たせなくなって無能になる)。

 

2.やがて、あらゆるポストは、職責を果たせない無能な人間によって占められる(能力限度まで昇進して無能になった管理職と昇進できない無能なヒラ社員で埋め尽くされる)。

 

3.仕事は、まだ無能レベルに達していない人間によって行われている(出世の余地が残っている人はまだ無能になっておらず、組織の仕事はそういう人によって行われている)。

 

「ピーターの法則」は、

①昇進後の仕事が昇進前の仕事よりも必ずしも難しいわけではないこと、

②昇進前に優秀にこなせた業務と昇進後の仕事内容が異なるのに、昇進後に要求されるスキルを持ち合わせないまま昇進してしまうこと、の2点を前提にしている。

 

例えば、優秀な技能工が昇進して管理職になると、これまで地道に積み上げてきた技能は管理職をこなすのに必要ではなくなる場合がある。その一方で、管理職として必要なスキルや経験はこれまでの工員経験の中で獲得してきたわけではない。この場合、管理職としては役立たずとなり無能になる―というものだ。』

(出典:各務晶久著『職場の紛争学 実践コンフリクトマネジメント』)

 

行間に漂う「能力には限界がある」というスタンスや「無能」という強い言葉から受ける印象として、やや極論な嫌いもあります。

 

しかし、「プレイヤーとして優秀だった人間をマネージャーにした途端に輝きを失い、期待した成果を上げてくれない」というお悩みを持つ経営者の方は多いもの。

 

そういった組織においてはこの「ピーターの法則」、「昇進した途端に無能になる」状況を回避するために何が必要かを考える一助にはなりそうです。

光武社労士事務所